
ステータスシンボルとして、憧れの対象にもなっているタワーマンションですが、住んでみてデメリットに気づいて後悔する人もいます。
美しい景観や、設備の充実、周辺が開発されて街並みがきれいなどのメリットが大きく取り上げられる一方で、毎日の生活にデメリットを感じさせる部分があるのです。
暮らしの質を求めるなら、知っておきたいタワーマンションのデメリットと、その対策について考えていきましょう。
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1. タワーマンションのデメリットとは?契約前に知っておくべき5つのこと
憧れを集めているタワーマンションの生活。
豊洲(東京都江東区)や月島・勝どき(東京都中央区)、武蔵小杉(神奈川県川崎市)は「タワマン銀座」と呼ばれるほど、多くのタワーマンションが林立しています。
たとえば、勝どき駅の周辺には、以下のようなタワーマンションがあります。
- THE TOKYO TOWERS MID TOWER(東京都中央区勝どき6丁目、58階建て、総戸数1461戸、2008年1月竣工)
- Brillia ist Tower 勝どき(東京都中央区勝どき1丁目、45階建て、総戸数536戸、2011年1月竣工)
- ザ・パークハウス晴海タワーズクロノレジデンス(東京都中央区晴海2丁目、49階建て、総戸数883戸、2013年10月竣工)
- DEUX TOURS CANAL&SPA EAST棟(東京都中央区晴海3丁目、53階建て、総戸数1450戸、2015年9月竣工)
- DEUX TOURS CANAL&SPA WEST棟(東京都中央区晴海3丁目、53階建て、総戸数1450戸、2015年9月竣工)
- パークタワー晴海(東京都中央区晴海2丁目、48階建て、総戸数1076戸、2019年2月竣工)
しかし、そのデメリットを知ると、自分のケースではメリットの方が大きいと言い切れないと、後悔することになってしまいます。(参照:いえどき「豊洲駅周辺の賃貸マンション」「月島駅周辺の賃貸マンション」「勝どき駅周辺の賃貸マンション」)
そこで、タワーマンションのデメリットをみてみましょう。
1-1. 高層階では移動が大変で外出が面倒に感じる
タワーマンションとは、高さ60m以上、20階以上のマンションのことです。
当然エレベーターで行き来することになるので、何となく外にでるのが面倒に感じることが多くなります。
エレベーターが上層階用のものと分かれている場合も多いのですが、朝の通勤時間帯にはエレベーターが混み合います。
エレベーターで人と合うのが嫌だと感じるときにも、外に出るのをためらってしまいます。
せっかくいろいろな施設が、周辺にもマンション内にも整っているのに、人付き合いの煩雑さから外出を避けてしまうという人もいます。
1-2. マンション設備が整っているほど管理費が高い
タワーマンションは高層建築になるため、エレベーターが特注になっている場合があります。
すると、設置費用だけでなくメンテナンスや修繕・入れ替えのときの費用がほかのエレベーター施設よりも高くなります。
また、セキュリティの充実やコンシェルジュの常駐、マンション住民用のラウンジやジム、立体駐車場設備など、設備が充実しているほど、管理に費用がかかります。
ですから、憧れのステータスを満足させてくれるような物件というのは、管理費や修繕費積立が高くついてしまうのです。
賃貸で入居する場合でも、そこは家賃・管理費と言った費用に反映されてきます。
家計の状況が変わっても対応していけるのか、そうした高度なサービスがどこまで必要なのか見極めておきましょう。
1-3. 風が強く布団をベランダに干せない
タワーマンションの上層階では、一般的なマンションより風が強く、ベランダに出したものがあおられて地上に落下した場合に危険です。
したがって、外に布団を干すことが規約で禁止されているケースが多いものです。
ベッドにするしかない、乾燥機の多用で電気代がかる、室内で布団乾燥機を使うと片付かないなど、ストレスに感じることがあります。
また、風が強いことで窓に雨が吹き付けられる、砂ぼこりが舞い込むなど、掃除が大変です。
地上から離れているのに砂ぼこりが舞い込むなどと予想していなかったのに、強風に乗って室内に入り込むことが多く、不満に感じるかもしれません。
(参照:高級マンションドットコム「タワーマンションで後悔の多い3つの強風問題とは?」)
1-4. 高層階での子育ては問題行動率が高まる傾向がある
高層階で育った子供は、高所での恐怖感が鈍くなり、危険回避能力が落ちるという研究があります。
高い危険回避能力ところは危ない、と感じる感覚が鈍くなってしまうのです。
このほかにも、幼稚園や小学校で問題行動を起こす子供のタワーマンション率が高まっていることが指摘されています。
高層階に住んでいることで親子の関係が密接になり、過干渉の傾向が強まることで、子供の自立が進まない傾向が高いのも特徴です。
14階以上に住んでいる幼児が、一人で排泄できない割合は1~5階に住んでいる幼児に比べて、7倍にもなっている、という調査研究が報告されています。
イギリスでは高層階での子育ては、子供の育ちに好ましくない影響があるとして、公営の高層住宅の建設をやめ、2人以上の子供がいる子育て家庭には、戸建て住宅を斡旋するという政策を実施しました。
子育て家庭がタワーマンションの高層階に住む場合には、意識して外出する、子どもを外で遊ばせるといった工夫が必要になります。
(参照:高級マンションドットコム「タワーマンションが子育てに向かない3つの理由とは?驚きの子供への影響・弊害を詳しく解説!」)
1-5. いろいろな属性の人が多いために起こる問題がある
最近のタワーマンションブームでは、不動産投資家が投資目的で購入しているケースが増えています。
実際にオーナーがタワーマンションに住んでいない、しかも外国人だという場合があるのです。
属性が違うと一口に言っても、外国人とでは文化的な背景が違うので、考え方そのものに折り合いがつけにくくなることが出てきます。
日本人的な共同協力の精神を理解せず、「規約になっていなければ何をしても良い」と言い出すオーナーがいると、管理組合も立ち行かなくなります。
管理組合が破綻してしまうマンションでは、修繕計画を立てることもままなりませんし、投資目的のオーナーが多い物件では、早い時期に建て替えが行われるかもしれません。
1-6. 人口急増への対応が追いつかない暮らしにくさ
タワーマンションでは、1棟だけで千人単位の人口増加が起こることも珍しくありません。
武蔵小杉では、1995年武蔵小杉タワープレイスを皮切りに続々とタワーマンションが建設され、住みたい街ランキングでも上位に名を連ねています。
しかし、急激な人口増に保育園は足りず、小学校はマンモス校化し、運動場を潰して増築する、駅がひどく混雑する、という暮らしにくさがみられるようになって来ました。
新しい住人がどっと増えるタワーマンションでは、暮らしやすさ、子育てのしやすさに必要な一定のゆとりが備わっているのかを見極めないと後悔してしまうでしょう。
また、住人やオーナーの世代交代が適度に進まなければ、将来スラム化するなどマンションそのもののコミュニティが保てなくなるかもしれません。
1-7. 災害時の対応への不安
タワーマンションは建物の規模が大きく、住人の数が多いので、災害時の対応に難しさがあります。
耐震性については、新しい技術の開発が日々進められていますが、エレベーターや配水設備が止まってしまうと、一度に何百戸以上もの世帯が影響を受けます。
2018年北海道東部地震では、電気が完全に止まるブラックアウトが発生し、ライフラインがストップする事態となりました。
非常用電源があったとしても使用時間は限られていますし、地上20階に暮らしている場合は、階段を使って自宅まで水を運ぶなど考えられません。
(参照:高級マンションドットコム「タワーマンションは地震に弱い?!被害に合わないために知っておくべき5つのこと」)
2. タワーマンションのデメリットが不安なら低層の高級賃貸マンションの検討を!
ステータスに憧れてタワーマンションの購入を検討していたというなら、質の良い暮らしが実現できる低層の高級賃貸マンションを考えるのも良いでしょう。
高さのある眺望は味わえませんが、高さと引き換えにあらわれるデメリットをなくすことができます。
ここでは、タワーマンションと低層高級賃貸マンションを比べてみましょう。
2-1. タワーマンションと低層の高級賃貸マンションの共通点
高級マンションといえばタワーマンションというイメージがありましたが、最近では低層でサービスや物件の質の良さにこだわったマンションが登場しています。
タワーマンションと低層の高級賃貸マンションの共通点についてみていきましょう。
・共用部分の高級感やセキュリティの高さ
高級賃貸では、タワーマンションでも低層マンションでも、高級感とゆとりのあるエントランスが設けられています。
セキュリティも万全で、受付やコンシェルジュが常駐しており、人の目があることでワンランク上の安心が得られます。
もちろん、認証システムや防犯カメラの設置によるセキュリティも行われています。
高級路線の賃貸マンションでは、システム上のセキュリティの高さはもちろん、利用者の属性が絞られていることも安心につながっています。
・コンシェルジュサービスが受けられる
宅配の預かり、クリーニングの取次ぎ、タクシーの手配など、高級マンションのコンシェルジュサービスでは、ホテルの受付のようなサービスが提供されています。
フルタイムの共働きで忙しい方に嬉しいサポートが受けられるのが魅力です。
さすが高級マンション、という印象を受けます。
・キッチンやバスルームなどにハイグレードな設備がある
高級賃貸マンションでは、キッチンやバスルームの設備にもハイグレードなものが使われています。
最新の大きなシンクやコンロ、食洗機はもちろん、大型の冷蔵庫まで設置されているケースもあります。
高級感のある内装と設備は、心からくつろげる上質な暮らしにフィットするものになっています。
・設備が整っている高級物件は賃料・管理費用レベルがあがる
高級マンションには、さすがと感じさせられるサービス、設備が整っています。
それだけに費用がかかりますが、満足度が高く、暮らしの質にこだわるならやっぱり高級マンション、と考える人がいることに納得できるレベルの高さがあるのです。
お金を出して、良いサービスをきちんと受けたいと言う人は、やっぱりタワーマンションや高級マンションを選ぶのではないでしょうか。
2-2. 低層の高級賃貸マンションのメリット
高級賃貸では、タワーでも低層でも満足の高いサービスが受けられます。
むしろ、タワーマンションのデメリットを避けて、低層の高級マンションを選んだほうがしっくりくるかもしれません。
低層の高級賃貸マンションのメリットをみていきましょう。
・外出しやすい
低層階マンションなら、エレベーターの利用回数が少ないので、外出がタワーマンションよりも面倒に感じません。
また、周辺立地も高層の建物が低いエリアの場合があるので、閑静な住宅地の印象がある、落ち着いた街並みの中にある物件が見つけやすいでしょう。
都会的なビル群となったタワーマンションではない都心物件こそ、本当に贅沢な住まいなのかもしれません。
都心ではどうしても地価が高いので、限られた面積にたくさんの戸数を作るという発想になりがちでしたが、100平方メートルを超える低層の高級マンションという物件は、稀少で価値が高い物件だといえます。
・バルコニーが広く屋外の気分を味わえる
高層マンションでは、バルコニーでの屋外気分を味わうのが難しいものです。
低層の高級マンションの場合には、適度に目隠しになる塀や緑を配置したバルコニーがあり、気軽に屋外を満喫できます。
自宅でのゆとりを感じたいとき、屋外の空気に吹かれて過ごすのと、タワーマンションの高層階からの夜景では意見が分かれるところです。
しかし自宅バルコニーに魅力を感じるなら、低層の高級級マンションを選んだほうが良いでしょう。
・もしものときも階段で対応できる
タワーマンションではエレベーターやライフラインがストップしたら、地上との連絡が恐ろしく悪くなってしまいます。
5階くらいまでの低層であれば、階段を使っても何とかなりそうです。
地震による揺れの影響をみても、タワーマンションと比べて、構造上たわみを起こすことが少ないので安心感があります。
また、タワーマンションと比べて、1棟に入居している世帯数が少ないので、エレベーターや避難経路のとんでもない混雑も起こりにくいでしょう。
・小規模ならエレベーター管理などの費用が抑えられる
タワーマンションでは、建物の規模が大きいためにかかる管理経費が大きくなります。
ビルメンテンスの責任者を置き、電力関連の管理、配水・配水設備や空調などを行い、エレベーターは高層用の特別仕様のものを複数基おかなければなりません。
建物が小規模になると、こうした費用を抑えることができます。
コンシェルジュサービスなど、暮らしに必要なサービスの質の高さは保ったまま、管理費用が縮小できるので、入居者の暮らしやすさに直結した満足感が高くなる場合が多いでしょう。
仮に、タワーマンションで家賃80~100万円を出すなら、低層高級マンションで暮らしの質を上げたいと選択する人もいるのではないでしょうか。
・入居者数が限られているので一気に密度が上がらない
1棟に千人規模の入居者が予定されるタワーマンションでは、マンションが建つことで一気に人口密度が過密になり、それまでの都市機能や行政サービスに障害が出やすくなることがあります。
低層の高級マンションの場合には、一気に人口が過密するレベルの人口増にまでならないので、都会的な中にもゆとりが確保できるでしょう。
人口密度が適度な状態であれば、どこに行っても混雑している暮らしにくさを感じるという悩みから開放されます。
高層のタワーマンションは、ビルそのものが1つの街のように構成されています。
病院やミニマート、保育園なども組み込まれているものがありますが、マンション内ですべてが完結してしまう生活にストレスを感じる場合もあるでしょう。
人口過密の環境に息苦しさを感じてしまうタイプの人は、空間を贅沢に使った低層の高級マンションを検討したほうが良いのです。
3. タワーマンション以外のおすすめ高級賃貸マンションはココ!
周辺環境も落ち着いた雰囲気で、ハイグレードな内装設備とサービスが魅力の、低層型の高級賃貸マンションをピックアップしていきましょう。
3-1. ラトゥール市谷砂土原Ⅰ・Ⅱ
新宿や渋谷にもタワーマンションのラトゥールがあります。
市ヶ谷、代官山のラトゥールは低層の高級マンションとしてゆとりある作りになっていて、コンシェルジュサービスも受けられます。
洗濯乾燥機や大型冷蔵庫なども設置されていて、設備の面でも満足感の高い物件です。
・住所
(ラトゥール市谷砂土原Ⅰ)東京都新宿区市谷砂土原町3丁目17
(ラトゥール市谷砂土原Ⅱ)東京都新宿区市谷砂土原町3丁目19
・アクセス
「市ヶ谷」からはJR、新宿線、「飯田橋」からはJR、有楽町線、南北線、東西線、大江戸線にアクセスできます。
「牛込神楽坂」からは大江戸線にアクセスできます。
最寄り駅までは徒歩8分から14分ですが、電車に乗ってしまえば都内主要駅まで近いです。
大手町6分、新宿駅6分、有楽町駅8分、麻布十番11分。
・賃料
・3LDK(133.8平方メートル)728,000円~
3-2. ガーデン高輪
フロントサービスや洗濯機乾燥機、食洗機、大型冷蔵庫など、設備も充実しています。
低層でゆったりしたエントランスは、戸建てに住むような感覚、高級感ある賃貸といったニーズに応えてくれます。
・住所
東京都港区高輪四丁目4番13号
・アクセス
「高輪台」都営浅草線徒歩8分、「品川」「五反田」JR山手線徒歩10分
渋谷まで13分、大手町26分、東京駅12分
・賃料
2BED(166.16平方メートル)850,000円
3-3. パークアクシスプレミア南青山
ジムやアスレチックを備え、英語対応のコンシェルジュサービスやレジデントサービスなど、ホテルのようなサービスがそろっています。
車寄せや、メールコーナーのカフェスペースなど、共用部分が充実し高級感があるマンションです。
・住所
東京都港区南青山2丁目15番22
・アクセス
「外苑前」東京メトロ銀座線
「青山一丁目」都営地下鉄大江戸線/東京メトロ銀座線
渋谷3分、新宿7分、東京駅15分
・賃料
3BED+2WIC+SIC(117.48平方メートル)880,000円
3-4. ガーデンコート代官山
地上3階地下1階の贅沢な作りの低層高級マンションです。
代官山というおしゃれなエリアにふさわしい、デザイン性に優れたアーティスティックな共用部分がステキです。
・住所
渋谷区猿楽町12-19
・アクセス
「代官山駅」東急東横線 徒歩4分
渋谷にも恵比寿にも徒歩圏内という代官山にあります。
T-SITE(蔦屋を中心とする商業施設)まで歩いて3分というのも魅力です。
・賃料
2LDK+WIC +TR(100.26平方メートル)510,000円
3-5. ザ・スケープ
隠れ家的な立地のデザイナーズマンションで、ガラス張りの外装、ハイグレードな内装がステキです。
常陸宮邸(ひたちのみやてい)の緑が目の前に広がる立地なので、渋谷駅まで徒歩15分とは思えない住環境が味わえます。
・住所
東京都渋谷区東4-4-6
・アクセス
「表参道駅」東京メトロ千代田線/東京メトロ銀座線/東京メトロ半蔵門線徒歩11分
「渋谷駅」JR山手線/京王井の頭線/東急/東京メトロ各線徒歩15分
新宿まで13分、大手町まで14分
・賃料
3LDK+WIC+WIC+SIC(125.54平方メートル)900,000円
3-6. オリオールガーデンズ
フロントサービスは未対応ですが、重厚感のある邸宅のような佇まいと、ハイグレードな内装がステキなマンションです。
小中一貫校の白金の丘学園や、聖心女子学園まで徒歩3分の位置にあり、ファミリーで低層マンションを探す方にぴったりな物件です。
・住所
東京都港区白金4-6-20
・アクセス
「白金台駅」東京メトロ南北線 徒歩6分
「白金高輪駅」都営三田線 徒歩6分
東京駅23分、渋谷駅14分
・賃料
3LDK(176.39平方メートル)960,000円
4. タワーマンションのデメリットと高級賃貸マンションの選び方まとめ
- タワーマンションにステータスを感じる人は多いがデメリットもある。
- 子育て中なら低層高級賃貸マンションがおすすめ。
- 都内中心地には暮らしの質を求めることができるハイグレード物件がある。
都心では、戸建て感覚のハイグレードマンションを探すのが大変なのではないかと考えがちですが、周辺にも緑があり低層建築の閑静な住宅街と呼べる場所に低層高級マンションがあります。
立地条件やグレードの高さも申し分ないのですから、低層を選ぶことでタワーよりも、むしろ暮らしの質が上がるのではないでしょうか。
タワーのデメリットにも目を向け、住みやすさや居心地の良さを優先した低層マンションを選んでみませんか。